【武野八景・序文2-P7、翻刻・訳文・注釈】
則總方八百 ⇐前ページの文節残り部分
則方八百里を總へて、十の七八を数里の間に觀んと再云、
・方八百里⇒はなはだ広い範囲の意の比喩
・總=総
・之(二箇所)⇒助詞であり書き下し文では平仮名表記
・乎⇒置き字であり書き下し文では表記しない(「乎」は「ヲ」だが直前に「ヲ」の送り仮名があり置き字になっている)
・数里⇒前句で「方八百里」と比喩的に範囲を表現し、つづいて「数里」と現実的な距離を示している
・觀=観
寛政九年孟春吉日
・孟春:(もうしゅん)春の初め、初春、陰暦正月の異称、新年の季語
狭南藤忠休撰
・狭南藤忠⇒作者狹南山人と同人。「表紙と見開き」ページに詳述している。
・撰:(サン、セン)あらわす、著述する、詩文を作る
・角印=上印を右上から反時計回りに「狭忠休印」と解した。下印は解読できず
翠摟柳顯章書
・翠摟柳顯=人名(呼称と人物像は不明)
・顯=顕
・章書⇒読み「しょうしょ」で「序文を書き表した」の意と解釈
・角印⇒上印を右下から反時計回りに「柳顯之印」と解した。下印は解読できず
【武野八景・序文2-P7、ここまで】
作者「峡南山人」による序文はここまでです。
次ページからいよいよ武野八景各所の説明ページに入ります。八景の具体的情景の描写がどのようなものか、ワクワクしています。ご期待ください。説明ページの前に凡例が1ページあります。